~ドレッセ横浜十日市場~
【横浜グリーンバトンプロジェクト】
JR十日市場駅から徒歩7分の立地にある市有地、緑区十日市場センター地区の20街区、21街区周辺地域。
標準的な郊外住宅地と言えるこの地域には、少子高齢化、待機児童の増加、生活利便施設の不足や、
借家が多いことにも起因する流動的な住民層と、課題が潜んでいると考えられていました。
地域将来を見据えたとき、「地域コミュニティの希薄性」、「地域のアイデンティティの不明確さ」等が大きな課題と考えられ、
これら複合的な課題を改善すべく、東急(株)、東急不動産(株)、NTT都市開発(株)の3社による提案が実現しました。
「人と人、地域と地域をつなぎ、誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」
このプロジェクトは、地域を活性化し、地域の人・資源などの魅力を育む十日市場ブランド創造を掲げ、
多年代の流入・交流を促す分譲マンション/戸建/高齢者向け住宅を整備しました。
持続可能な街づくりを目指すプロジェクトの概要をご紹介します。
もくじ
ドレッセ横浜十日市場の敷地中央には、約2,000㎡の緑豊かな中庭“センターガーデン”があります。
ここは、地域のどなたでも通行ができる街区貫通通路になっており、
緑豊かな歩行者空間を整備することで利便性の向上に加え、地域交流や地域アイデンティティを育む効果を担っています。
センターガーデンには、既存の土地勾配を生かした公開空地でもあるトレイルやビューデッキ、
近傍の新治市民の森とのつながりを意識した十日市場らしい植栽、各所に設置された地域の自然に関するサイン等が内包されており、
健康づくりや住民のコミュニケーション、地域資源の再発見を促しています。
センターガーデン
約2,000㎡のオープンスペースに、四季折々の豊富な植栽を盛り込んだ「センターガーデン」。
この緑豊かな森には、“トレイルウォーキング”や地域の自然を学ぶことができるサインを散策路に盛り込んでいます。
両街区の結節点には2つの広場を設けており、地域の井戸端会議に使われたり、イベントを行う際のメインスペースの役割を担っています。
街区外縁にはコミュニティースポットを設け何気ない日常のなかでの交流場づくりに貢献しています。
両街区整備計画
街区結節点に広場を整備
イベント時に使用される広場
コミュニティスポット(ゲートスクエア)
コミュニティスポット(シバザクラプラザ)
また、広い空が感じられる配棟・建物計画とすることで、十日市場だからこそ得られる気持ちのよさを際立たせています。
これらデザインには、地域愛を醸成し、地域のアイデンティティを獲得していきたいというプロジェクトの想いが込められています。
さらにこのプロジェクトの特徴的な点として、両街区に地域住民へ開放している施設があるというところがあげられます。
ドレッセ横浜十日市場では、広場に面した2施設“LIVING STUDIO”と“HANA-RE”が住民の方以外でも使用できる施設になっています。
LIVING STUDIOの一部は予約で貸切利用していなければフリースペースとなっており、
ここで一服して雑談をしたり、簡単なPC作業をしたり、と地域のリビング的役割も担っています。
持続可能なまちづくりは、行政や事業者の手だけでは成しえず、地域住民の活躍が必要と考えています。
まずは地域住民が使える場、集える場をつくることで、人間関係が構築され、地域活性につながれば、
という想いをもってこれら施設が計画地の中央に配置されています。
建物の引渡しと同時に、プロジェクトの入居者が核となる、エリアマネジメント組織を立ち上げています。
2でご紹介した、LIVING STUDIOを活動拠点にコミュニティの活性化、地域環境の整備、地域運営のサステナビリティを目指し、地域活動をする組織です。
組織運営のノウハウを構築するために、引渡しから5年間は民間の支援会社がサポートに入り、企画や事務作業などをバックアップしています。
地域を巻き込む大きなイベントや、季節催しや清掃・防災などの日常的なイベントを開催し、
住民同士のコミュニケーション促進や地域愛の醸成、主体的に企画運営に関わりたい人材発掘につなげ、
ゆくゆくは住民自らが地域運営を担っていくことを目指して取り組んでいます。
『次の世代に手渡したくなるまち』をつくり上げることが求められる当プロジェクトでは、より一層の高品質・高性能な建築が求められます。
ドレッセ横浜十日市場では建築のプロが技術を集結し、国土交通省の定める厳しい認定項目をすべてクリアした、長期優良住宅の認定を取得しています。
また、環境配慮がより一層求められる社会になっており、両街区では太陽光による創エネと、消費エネルギーの見える化を行っています。
創出したエネルギーは建物の共用部で使用するほか、災害時の充電用コンセントへも供給します。
時代が変わっても、十日市場の魅力と、快適な住まいを引き継いでいく、次世代型郊外住宅を創出しています。
今回、このプロジェクトのグッドデザイン賞受賞により評価された点は、
東急の理念である『美しい生活環境の創造』の具現化に他ならないと考えています。
これからも私たちは、人と街を思った計画に取り組み、
サスティナブルな街づくりの実現へ向けて美しい住まいをお届けしていく所存です。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、さまざまに展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちの暮らし、産業、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。